2023/11/02 スケッチが楽しい

こんにちは!渡邊野乃香です。

いきなりですが、タイトル通り、最近スケッチをするのが楽しく、スケッチばかりしています。ちょっと自分でも驚いています。

ここに至るまで色々な経緯と心の動きがあったので、今のうちに考えていたことを記しておこうと思い、この投稿を描いています。

「見たまま描く」が苦手だった

まず、私はずっとスケッチというか、「見たまま描く」のが苦手でした。なぜなら、絵に関して「アイデア至上主義者」なところがあり…私はアイデアを練って、それを絵にするのが好きで、人からもアイデアを褒められることが多くて。だから「見たまま描く」より、「自分の頭の中にあるもの」を描き出す方が楽しくて。それでスケッチを習慣化しようとしても、頭の中にあるものを描き出す方が楽しいし、それに忙しくて、見たまま描く時間を取れずに、なかなかスケッチが習慣化しませんでした。

それと本当に正直な話をすると、アイデア至上主義者故に、ちょっと「見たまま描く」人たちを下に見ていたところがあり…それは所謂絵を描かない人、一般的な見る側の人たちが、「写実的な絵・デッサンが上手い絵が素晴らしい」という価値観を持っている人が多いことへの疑問ともつながっていました。

自分が長く絵を描いていると、絵の表現の多様さ、魅力の多様さに少し触れてくるのですが、絵にあまり興味がない、深く知らない人たちがいつまでも「写実的=上手い=すごい」という方程式を持っているように見えて、それ故に写実的なデッサンが上手くて人気があるイラストレーターに対して、ちょっと苦い気持ちを持っていて。自分が美大受験でデッサンを色々してきたのもあり、自分にとって写実的な絵・デッサンというのは、あくまで「表現の幅を広げるための入り口・基礎・土台の部分」であり、そこに何かを表現したい気持ちが乗っているのか…というのを疑問に思っていて。持っていたんですけど〜ここから意見が180度変わるので、見ててください…

スケッチの楽しさ

だけど最近ちょっとショックなことがあり、精神的なダメージを受けてしまって。それで今までみたいに描きたいアイデアが出てこなくなってしまって。頭の中にあったアイデアの泉、描きたいことが無限に湧き出てくる泉が動きを止めてしまい。

それで、「自分の頭の中にあるもの」は描けない、でも絵は描きたい、手は動かしたい…となって、最近しているのがスケッチです。このホームページをよく見てくださる方は分かると思いますが、最近本当にスケッチばかりしています。せっかくこの話になったので、最近したスケッチを何枚か載せますね。

実物を見ながら描いたものと、自分で実物を写真に撮って、その写真を見ながら描いたものが混在しているので、正確にいうとスケッチと写真の模写が混在していますが。広義でいうとスケッチです。

で、自分でスケッチをしていて気付いたんですが、単純にスケッチするって楽しいんですよ!

楽しい〜上手く描けると嬉しいし、あと私の場合、受験のデッサンとは違うので、結構見たままそのままの色形ではなく、省略しているところや、色味がちょっと違うところもあります。「イラスト」としての見栄えというか、モチーフの魅力をより引き出すために、見せ方の工夫のしようもあります。受験と違って自分で趣味で描いてるので、正解不正解があるわけではなく、まるっとそのままそっくりじゃなくてもいいところも、楽しい一因になってると思います。

なので、意外と何も考えなくていいわけじゃないというか、なんというんだろう〜パズルゲームを解くみたいな…そういう頭の使い方というか、そういう楽しさがあります。

あと単純に自分の趣味でスケッチするなら自分の好きなモチーフを選んで良いので、好きなものを描けるのは楽しいですよね。私は愛猫を描いたりもしていて、うちの子かわいいな〜ほんとに世界一の猫だわ〜と思いながら描いたりしています。

なので、今までは単純にスケッチの楽しさが分からなくて、それ故に「見たまま描く」が上手い人が「絵のことがよく分からずに写実的=上手いと思ってる層にアピールしてる」ように見えて、それでちょっと苦手だったのですが(ひねくれすぎてて申し訳ない…)。あの人たちも、ただ単純に私が「頭の中のもの描くの楽しい〜!!」ってなってたのと同じように、「見たまま描くの楽しい〜!!」って思って描いてる、ただそれだけの話だったのかもな〜、とようやく思えるようになりました。何事も自分でやってみないと分からないですね…

活動スタイルの変化

前述した通り、最近ショックなことがあり、今まで描けていた絵が描けなくなって。

私は元々アナログ画材(透明水彩・アクリルガッシュ・ペン画等…)を使ってA4~A3くらいのサイズの絵を描いて、額に入れて、展示に出す…というのを活動のメインにしていて。それを7年ほど続けていたのですが。

例を載せますね。

燦々Summer!

2023/5/26 完成
制作期間:23日間
サイズ:A3size(420x297mm)
使用画材:透明水彩、ミリペン、色鉛筆、アクリルガッシュ/ウォーターフォード水彩紙

2023/4/17 完成
制作期間:9日間
サイズ:A3(420×297mm)
使用画材:ミリペン、ケント紙

2023年2月6日 完成
制作時間:10日
サイズ:A4(210×297mm)
使用画材:ミリペン、透明水彩、白ペン/ウォーターフォード水彩紙

こういう絵を描いて展示に出していたんですけど…

アナログでこのサイズ・この密度の絵を描くのって、私の場合は結構気力・体力・時間共に消耗してしまって。前は当たり前のように出来ていたのが、急に出来なくなってしまって。

私は私のこういう絵が大好きで、また自分が描いたこういう絵が見たいので、また元気になったらこういう画材・サイズの絵も描けたらいいなと思ってるんですけど。でも今は描けなくて、代わりにスケッチばかりしていて。それを今まで応援していて絵を見ていてくださった方に対して、なんとなく申し訳なく思ってて。

それで考えててふと気付いたのですが、アナログで密度の高い絵を描いて展示に出るのがえらくて、ネットにスケッチを載せてるのがえらくない、なんてことはない、と。

今まで自分がずっとアナログ原画を描いて展示に出る方式で活動を続けていたので、そうじゃなきゃいけない、それでなきゃ活動してるって言えない、となんとなく思い込んでいたのですが。

ここ半年くらいで「misskey.design」という一次創作者のためのSNSにアカウントを作ったのですが、そこには本当に色々なタイプの一次創作者の方がいらっしゃって。今まで活動していたTwitterは場が広かったので、必然的に同じ活動スタイルの人たちで固まることになり、それ故に私は「アナログで絵を描いて展示に出る」活動スタイルの人たちが多数派だと思っていたのですが。misskey.designはサーバーが狭いので、そのサーバーにいる人たちを結構隅まで見渡せるのですが、そこで「あ、アナログ絵描いて展示に出るのって結構レア者なんだ」と気付き。レアだからどうこうとか数がどうこうという話ではなくて、同じ一次創作絵描きでも、色んな活動の仕方があるんだな、あっていいんだな、と気づけた、という話です。こういうやり方じゃないといけない、なんてないんだな、と。

だから別に展示にも出ず、イベントにも出ずに、ネットにスケッチを載せて「絵描きです」って言ってもいいし、それが悪いなんてことはなく、申し訳なく思う必要もないんだな〜と気付けました。

前述した通り、また描けるようになったらアナログのA4とかA3とかも描きたいんですけど、「それが描けなくてスケッチしか出来なくて申し訳ない」と思う必要はない、ということは心に刻んでおきたいです。

というわけで、最近はスケッチやラクガキばかりする人になっていますが、そういう時期なんだな〜とあたたかく見守っていただけると嬉しいです。

結構メンタルが不安定ゆえに、あっちいったりこっちいったりはするのですが、「絵を描く」ということだけはずっと辞めずに続けられていて、それは今後も続けていきたいと思っています。絵描きと言っても人間なので、活動の仕方や興味の方向性が時間と共に移り変わることは大いにあるのですが、「フンッおもしれ〜絵描き…ついてくぜ…」って思えるとこまでついてきてもらえると嬉しいです。

 

それでは失礼いたします。こんな長い文章、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。さよなら〜!

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